(1)阿蘇パノラマラインより中岳
4月に阿蘇山の火口周辺規制が解除されたので、九州の百名山で未踏の祖母山(そぼさん)とセットで登ってきました。愛媛県の八幡浜から九四フェリーの深夜便にのり臼杵へ。初日に祖母山を登り、二日目早朝、阿蘇パノラマラインから阿蘇ロープウェイ駐車場に向かいます。
(2)草千里と烏帽子岳
草千里は正面の烏帽子岳の火口跡が草原になったところです。阿蘇山には5つの目立ったピーク、阿蘇五岳があり、烏帽子岳はその一つ。斜面のミヤマキリシマが満開です。
(3)登山道より中岳火口
7時半にロープウェイ阿蘇西駅前の駐車場を出発、予想外の強風で観光客も訪れる砂千里は猛烈な砂嵐、タオルで鼻と口を覆い何度も立ち止まりつつ横断。大火口壁南端の急登を登ると西側に火山地形の大パノラマが広がります。右の噴煙を上げているのが第一火口、正面は第4火口、左が横断してきた砂千里、第4火口のむこうが駐車場、奥に烏帽子岳・草千里です。
(4)登山道より高岳(たかだけ)
登山道は大火口壁沿いに北へ伸びます。右正面には目指す阿蘇山の最高峰、高岳。
(5)祖母山と根子岳(ねこだけ)
大火口壁北端の中岳から登山路は西向きに高岳へ続きます。南西側には昨日登った祖母山。左のギザギザは阿蘇五岳の一つの根子岳。手前は高岳の溶岩台地です。
(6)阿蘇カルデラとくじゅう連山
北西の展望、左下は仙酔峡、中央は阿蘇カルデラの阿蘇市、緑の台地は久住高原で奥にくじゅう連山です。
(7)高岳山頂
登山口駐車場から2時間、9時半に登頂、日本百名山72座目。標識が割れてしまっていますが、高岳、1592m。語呂合わせは、「肥後国(ひごくに)」です。
(8)中岳大火口壁
登山の後は「観光」です。第一火口から大火口壁です。写真(3)は火口壁の上にある登山道からこちらを見下ろした写真でした。あの火口縁を歩いてきたのです。
(9)中岳第一火口
お馴染みの第一火口です。ロープウェイは休止中なので観光客は山上駅そばの火口駐車場まで車を乗り入れています。駐車場から2分で火口見学ができます。
(10)祖母山(そぼさん)
前日に登った祖母山頂です。この山の北側は荒城の月で有名な岡城のある竹田市、南側は高千穂町です。東側中腹の北谷登山口駐車場を12時半にスタート、風穴コースをのぼり14時に登頂、日本百名山711座目でした。山頂の祠の祭神はトヨタマヒメ。カムヤマトイワレヒコ(神武天皇)のおばあさん、それで祖母山だそうです。
(11)高千穂峡
祖母山登山前に訪問しました。左は真名井の滝、右の柱状節理が壮観です。阿蘇の最終のカルデラ噴火は9万年前とのことですが、ここまで火砕流が押し寄せたのですね。
(12)宮迫西摩崖仏
大分県は磨崖仏の宝庫。熊野磨崖仏は北部の宇佐・国東半島地区、国宝の臼杵磨崖仏は南部の臼杵地区、ここは県中部で豊後大野や竹田など大野川流域地区。この摩崖仏は平安後期の作で、薬師、釈迦、阿弥陀如来さま、高さは145cm。宇佐八幡宮の大神一族が宇佐氏に追われて、この地で在地領主となり造立したそうです。
(13)善光寺摩崖仏
豊後大野の山中にある普光寺の本堂から谷を隔てた、高さ20m、幅10mの大岸壁に、高さ約8mの巨大な不動明王像と2童子が彫られています。制作は鎌倉時代と考えられています。真ん中の石窟や右の石窟の護摩堂まで参拝路があり、間近で見学できます。
(14)沈堕(ちんだ)の滝
高千穂峡は阿蘇火砕流による景勝地ですが、大野川にあるこの滝も火砕流による柱状節理で、高さ20m、幅100mと壮観です。15世紀末には、雪舟が「鎮田瀑図」を描いています。明治42年、滝の上流に水力発電用堰堤が設けられ、滝の景観が損なわれたそうですが、平成8年、網の目状の堰堤を建設して水量を調節、人工と自然が美しく調和しています。