画期的な糖尿病のクスリ
今週、糖尿病の新しいクスリが発売されます。SGLT2阻害薬と呼ばれるクスリです。 SGLT2は、ナトリウムグルコース共輸送担体という膜タンパクのタイプ2という意味で、これは腎臓の近位尿細管に分布しています。この膜タンパクの生体での役割は、尿に大量に出て行ったグルコース(糖)を血液に再回収することです。腎臓は不要なものを尿として捨てますが、必要なものは再回収して生体のバランスを保つという大切な仕事をしています。糖分は必要なものとしてほとんどは再吸収されます。糖尿病の人の場合、「持て余している糖」を去る者は追わずというわけでおしっこに捨ててしまえばどうか、という画期的な発想をした研究グループが今回のクスリを開発したのです。
とはいえ、クスリの作用で多少水分も失われるし、腸管にもSGLTは分布しており、その働きも抑制するので、頻尿、口渇、便秘などの副作用が数%出現するようです。
新しいクスリが発売されても、糖尿病は今のところ「治ってしまう病気」ではありません。好き嫌いせずバランスよく、かつ、食べ過ぎないようにすること、また歩くとか自転車にのるとかの有酸素運動と、体力と年齢に応じた筋トレをすること、それが病気との付き合い方の基本であることは変わりありません。
さて今回は、糖尿病の人にもおすすめの有酸素運動と脳トレを兼ねた休日スポットをご紹介しましょう。
高槻市の「今城塚古代歴史館」と「いましろ大王の杜」です。駐車場は30台分くらいあり、料金は無料です。歴史館には入場料を払って入りましょうね。石棺、貼り石、排水設備、埴輪など考古学的成果を科学的に踏まえた素晴らしい展示内容です。
歴史館から徒歩3分の今城塚はオホド大王(継体天皇)の古墳であることが確実で、ある程度の人物像と古墳の比定が確実な最古の大王墓といっていいでしょう。日本書紀や古事記での扱いの大きさや、オホド大王が越(現在の福井県)出身らしいことや、古墳が奈良や河内でなく高槻にあること、オホド大王以降の史実の信ぴょう性の高さなど、古代史での画期的な人物です。
展望台から巨大な古墳の側面が見渡せます。また古墳の堤には発掘された大量の埴輪が再現されており、壮観です。
古墳と周囲全体がきれいに公園として整備されており、子連れで墳丘を探検するもよし、芝生でお弁当を拡げるもよし、周囲をジョギングするのもいいでしょう。
なお、少し離れていますが、ここの埴輪が生産された新池遺跡は埴輪工場公園として整備されています。考古学に興味のあるかたは足をのばしてみてください。