川見(せんみ)四季桜の里
愛知県豊田市小原町を訪れました。四季桜は、マメザクラとエドヒガンの交雑種で春と秋の年2回花を咲かせる珍しい桜です。小原町には1万本の四季桜があり、特に川見のこの斜面には1200本の四季桜が植えられ、紅葉とのコラボレーションを楽しめます。
松平東照宮
徳川家康の先祖の出身地は豊田市の松平郷とされており、松平氏居館跡には東照宮が鎮座しています。清和源氏新田氏嫡流の徳阿弥が初代松平親氏とされ、銅像があります。孫の代に南部に進出したとされ、松平信光が安城や岡崎を獲得した事は史料に記されています。
トヨタ博物館
豊田市のトヨタ会館とトヨタ博物館を訪問しました。本社敷地内にあるのが「クルマを通した豊かな社会づくり」の取り組みを紹介するトヨタ会館、トヨタ博物館では世界の自動車とクルマ文化の歴史を楽しみながら学べます。
長久手古戦場跡
徳川家康と羽柴秀吉の直接対決、小牧長久手の戦いの主戦場の一つです。頼山陽は日本外史に「公(家康)の天下を取る、大阪に在らずして関ケ原にあり、関ケ原に在らずして、小牧にあり」と述べています。正面の林が池田恒興の戦死地で勝入塚があります。建物は郷土資料室で、合戦の資料が展示されています。
湯谷(ゆや)温泉・馬背岩
愛知県新城市の湯谷温泉は、1300年前、鳳来寺開祖利修仙人による開湯です。設楽町南東部の山域が水源の宇連川は、下流の長篠城で豊川に合流します。この付近は、鳳来峡とも、また川底は流紋岩や流紋岩質凝灰岩が、板を敷きつめたように見えるので、板敷川とも呼ばれています。右の岩は凝灰岩の割れ目をマグマが上昇して固まった安山岩の柱状節理で、天然記念物の馬背岩です。
蓬莱山東照宮
徳川広忠夫人の於大の方が、鳳来寺の薬師に祈願し、家康が生まれたと伝えられており、それを知った家光が東照宮を建立しました。建物は国の重要文化財に指定されています。大河ドラマに合わせ金陀美具足が展示されていました。
鳳来寺山・鷹内場
山の中腹の鳳来寺は利修仙人による703年の開山と言われています。文武天皇の病気快癒のために鳳凰に乗って藤原京に上ったのが、鳳来寺の名前の由来です。ハイキングコースの岩場から南側、長篠城や豊橋の方向を眺めます。
鳳来寺山から設楽カルデラ
標高695mの低山ですが、1500万年前、東三河に存在した巨大な火山「設楽火山」の名残で、主に松脂岩(ピッチストーン)などの火山岩でできており、山全体が、国の名勝及び天然記念物、また日本の地質百選に選定されています。山頂から北側は設楽カルデラで正面は火山北縁の明神山。左奥には、仙丈ケ岳、北岳、塩見岳などの南アルプスが、右側には富士山も少し顔をだしています。
鳳来寺不動堂
蓬莱山寺本堂から山頂への途中にある岩壁です。清水が滴り、これぞ山岳修験の行場という雰囲気です。開山の利修仙人はここ勝岳不動で入寂されたと伝えられています。岩をご神体とした神仏習合・山岳修験が始まりだったのでしょう。
鳳来寺鐘楼
鐘楼の上に見えているのは鏡岩という松脂岩でできた巨大な岩壁でご神体です。ここは鏡岩下遺跡と命名されており、渥美窯産や瀬戸窯産の土器が出土しています。1200年前後に経塚が造営され、鎌倉時代は蔵骨器を用いた納骨、そして室町時代から鏡の埋納が始まりました。貴族→武士→庶民へと鳳来寺山への信仰が拡がっていったことがわかります。
鳳来寺山の仏法僧鳥
1935年(昭和10年)にラジオで鳳来寺山でのブッポウソウの啼き声を夜間生中継することに成功しました。これをきっかけに鳳来寺のブッポウソウの声が名物として広く知られることになり、同時にこの鳴き声の主は青く美しい仏法僧鳥ではなく、小型のフクロウのコノハズクであることが明らかになりました。門前町の門屋にある自然科学博物館では地質や動植物の興味深い展示を見学できます。
鳳来寺山
写真は門屋の登山口でここから中腹の鳳来寺本堂まで、平治の乱後に一時身を寄せたお礼として源頼朝が寄進したとされる1425段の石段が続きます。戦国時代には幼少期の井伊直政が寺に匿われていたようです。江戸時代には家光による仁王門寄贈と東照宮建立で一大参詣地となりました。道端には、ここを訪れた芭蕉や若山牧水や種田山頭火の句碑がありました。
仏法僧仏法僧と鳴く鳥の 声をまねつつ飲める酒かな 若山牧水
木枯らしに 岩吹きとがる 杉間かな 芭蕉
湯の山温泉
湯の山温泉は、三重県菰野町の山あいにあります。養老2年(718)に発見された温泉は、鈴鹿山脈の名峰、御在所岳の東麓にあり、ロープウェイがあり、登山道の入り口としても知られています。
中登山道からロープウェイ
ロープウェイで山上まで行けますが、中登山道を登ると「菰野石」として知られる花崗岩の奇岩・巨岩をじっくりと楽しむことができます。ロープウェイは1959年の開業で、白い鉄塔は61mの高さがあり、ロープウェイの支柱では日本一の高さとのことです。
御在所岳の地蔵岩
御在所岳は花崗岩質が多く、侵食により山肌に現れ、いろいろな形の巨岩・奇岩が見られます。右側は地蔵岩です。新名神高速道路の先は伊勢湾の長島、揖斐川や長良川の向こうには名古屋市を含む濃尾平野が拡がります。
富士見岩展望台
中登山道を登りきると山頂台地に到着し、そこにも花崗岩の富士見岩があり、ここも名古屋方面の好展望地になっています。
御在所岳から富士山
写真の正面やや左をアップしてみると雲の上に富士山が頭を出しています。その左は光岳や聖岳など南アルプス南部の山々です。
御在所岳山頂
御在所岳の山頂は東西600mのなだらかな地形になっており、富士見岩やロープウェイ山上駅から散策路を歩いていきます。山頂の標高は1212mで、鈴鹿山脈中3番目の高さですが、優れた山容により、日本二百名山に選ばれています。
御在所岳から伊勢志摩
山頂付近から南を眺めると三角錐の鎌ケ岳の向こうには志摩半島。半島の先端から左の伊良子岬の間には、三島由紀夫「潮騒」の舞台、神島も見えます。
望湖台から琵琶湖
山頂近くの花崗岩の展望所から北西方向には正面に雨乞岳。その右には、苔に覆われた広い山頂部を持ち、船をひっくり返したような山容のイブネ。そしてイブネの奥に南北に雲が伸びる向こうが琵琶湖です。
御在所ロープウェイ
下山はロープウェイに乗りました。赤いかわいいゴンドラで5、6人乗ることができ、1分毎にやってきます。ところで、御在所の名前ですが、ヤマトタケルの伯母の倭姫命(やまとひめのみこと)が伊勢へ行く途中に、山上または麓に仮の屯宮(とんぐう)を設けられたという故事に由来するようです。
アマゴの塩焼き
2時間で登ったのですが、ゆっくり山上部を散策したので、山上駅の展望レストランはちょうどお昼時で満員でした。下山して検索すると、しし鍋と川魚の「やましげ」というお店を見つけることができました。しし鍋も七輪で焼いていただいたアマゴも最高でした。