蒜山(ひるぜん)三座
岡山と鳥取の県境にある蒜山です。左から、上蒜山(1,202m)、中蒜山(1,123m)、下蒜山(1,100m)、蒜山三座と呼ばれています。約60万年前まで活動した火山で、裾野には蒜山高原が広がり、ジャージー牛で有名です。今日は、右から左へ11kmを縦走します。コースタイムは7時間半です。
下蒜山登山道より氷ノ山
午前3時に神戸を出発、蒜山インターで降りて、上蒜山登山口に自転車をデポ。自動車で下蒜山登山口に移動して6時半から登りました。40分ほどで見晴らしのよいところへ出ました。振り返ると、5月に登った鳥取兵庫県境の扇ノ山や氷ノ山が見えます。
下蒜山
下蒜山が見えてきました。蒜(ヒル)はアサツキやニラに近いネギ属の植物で6月には、花の先端にムカゴ(珠芽)ができます。このあたりの草がノビル(野蒜)なのかどうか私にはわかりませんが、清々しい草原の山だから、蒜(ヒル)の山(ゼン)なのでしょう。
下蒜山山頂
標高差550mを登って8時過ぎに下蒜山山頂に到着です。穏やかな登山道と高を括っていましたが山頂手前はかなり高度感のある急登でした。
下蒜山より上中蒜山と大山(だいせん)
左には次に登る中蒜山、中央に上蒜山、右奥には百名山の伯耆大山が見えます。
下蒜山から中蒜山
中蒜山との鞍部まで下蒜山からかなり降ります。左には蒜山高原が見えます。
中蒜山山頂
下蒜山から2時間歩いて中蒜山に到着。上蒜山に隠れて大山は見えません。
中蒜山より上蒜山
また降りて中蒜山と上蒜山の鞍部に向かいます。鞍部には草原が拡がります。
イワカガミ
登山道沿いの草木の中にピンクの花が可憐に咲いていました。
上蒜山山頂
1時間弱で、この日3つ目のピークに到着。上蒜山1202mは日本2百名山です。
上蒜山8合目から
山頂は眺望がありませんが8合目からは低木となり、振り返ると、左に上蒜山、右に中蒜山、真ん中奥が下蒜山です。3つのピークを縦走してきました。
アカモノ
6~8mmと、とても小さいですが鈴蘭型の愛らしい花です。花がおわると赤い桃のような実になるので、アカモモが訛ってアカモノと呼ばれているそうです。
蒜山高原でサイクリング
7時間近くで縦走を終わり下山しました。上蒜山登山口にデポしていた自転車に乗って、下蒜山登山口へ戻ります。蒜山高原自転車道が整備されていて、自動車やトラックを気にせず、気持ちよく走れます。最後は自転車道を離れて一般道の登りとなり、坂道でばてて休憩です。朝に登った下蒜山がみえています。蒜山高原はサイクリングもおすすめです。
明延(あけのべ)鉱山坑道入口
生野銀山とともに兵庫県を代表する鉱山で、全盛期は錫(スズ)の産出量が日本一でした。養父市明延の県道6号線沿いに坑道の入口があります。この扉の向こうに、総延長550km、高低差1000mの範囲に坑道が拡がっています。
探検坑道の内部
一部が探検坑道として開放されていて、日曜日は予約なしでガイドさんが案内してくれます。鉱脈の見つけ方とか、1L(レベル)は垂直33mで明延鉱山では-14L(レベル)まで地下に掘り進んだこと、削岩機は圧縮空気、トロッコは蓄電池を動力としたこと、円高で採算割れして廃鉱したこと、探鉱・採鉱・選鉱が鉱業の基本など、詳しく解説していただきました。
神子畑(みこばた)選鉱所跡
往時に明延と神子畑を結んだ「一円電車」と選鉱所跡です。選鉱とは採掘した鉱石を有用鉱物と不用鉱物(脈石)とに分離する作業のことで、明延鉱山で採掘された鉱石を一円電車で搬送、当地で選り分け、生野製錬所や飾磨港経由で直島精錬所へ送る中継拠点でした。最盛期は約3000人が働き、規模、生産量ともに東洋一と呼ばれたそうです。生野で鉱山技師をしていたムーセの旧居が資料館になっており、ガイドさんの解説がありました。鉱毒予防に苦心した様子も窺い知ることができました。