出光美術館 伴大納言絵巻

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 丸の内の出光美術館は国宝の伴大納言絵巻や仙厓のコレクションで有名です。近年プライスコレクションから伊藤若冲の《鳥獣花木図屏風》(升目描きで有名)も加わりました。

《伴大納言絵巻》は《源氏物語絵巻》《信貴山縁起》《鳥獣戯画》とともに、四大絵巻と称され、伴大納言(伴善男)による応天門放火事件(866)を描いています。馬に乗る検非違使たちの躍動感、生き生きとした人々の表情、炎上する応天門の黒煙と炎のすさまじい勢い、

後白河法皇の命により常盤光長(藤原光長、または土佐光長)が描いたとされる国宝です。「吉備大臣入唐絵巻」「病草紙」などもこの時の光長の作品とのことです。

山種美術館 東山魁夷「緑潤う」

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 特別展「没後25年記念東山魁夷と日本の夏」を観てきました。白波のダイナミックな海原を表現した《満ち来る潮》、田んぼの水に癒される川合玉堂の《早乙女》、蚊帳を張りながら蛍に目をやる青い浴衣の女性が美しい上村松園の《蛍》、川端康成の言葉を契機に、魁夷が京都の風情と季節のうつろいを格調高く描いた連作「京洛四季」など、私の大好きな日本画が並んでいました。なかでも「京洛四季」の中の《年暮る》は、やっと会えたと感慨深く観ました。歌川広重の《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》が展示されていることにも驚きました。写真は撮影可能だった「京洛四季」の夏、修学院離宮を描いた「緑潤う」です。

紙の博物館

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 八代将軍吉宗が花見の行楽地として整備した東京都北区の飛鳥山にある博物館で、前身は王子製紙工場跡の製紙記念館です。写真はフランスの機械技師ルイ・ニコラ・ロベールによって1799年に発明された世界初の抄紙(しょうし)機の模型です。紙の歴史・製紙産業の歩み・現代の製紙産業など知らないことばかりで、紙のリサイクルには感心しました。

北区飛鳥山博物館

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 紙の博物館の隣にある公立博物館です。約3万年前の旧石器時代、関東ローム層から出土した石器のスクレイパー、日本最大級の縄文時代の中里貝塚の剥ぎ取り標本、素朴な縄文土偶、8~9世紀の武蔵国豊島郡衙の正倉、歴代将軍の日光社参の休憩に利用された金輪寺の御座所。何よりも、江戸時代の人々の花見弁当の再現展示はとてもおいしそうでした。

旧渋沢家飛鳥山邸

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 博物館の隣の渋沢邸跡には渋沢資料館があります。渋沢栄一91年の生涯を年齢ごとの展示ユニットで学習できます。前半は大河ドラマ「晴天を衝け」で描かれていました。

渋沢は500社の会社や銀行を設立しましたが、彼が初めて手掛けた機械工業が抄紙会社(後の王子製紙)でした。戦災を免れた晩香盧(ばんこうろ、洋風茶室)と青淵文庫(書庫)はいずれも田辺淳吉設計の重要文化財で見学可能です。

彼の唱えた道徳経済の合一・論語と算盤の解説が展示されています。「国の富を為す根源は何かというと、社会の基本的な道徳を基盤とした正しい素性の富なのだ。そうでなければ、その富は完全に永続することができない。」(渋沢栄一)

東京国立博物館 神護寺

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 創建1200年記念特別展「神護寺」では最澄の「久隔帖」と空海の「風信帖」が並んでおり、国宝「五大虚空蔵菩薩坐像」も初めてでした。

本館特別5室の「内藤礼 生まれておいで生きておいで」は縄文時代の足形付土製品に「生の内と外を貫く慈悲」を感じた作家の感性を展示室の自然光が照らしていました。

写真の渡辺崋山の佐藤一斎像や北斎の富嶽三十六景など、どんどん展示替えのあるこの博物館の常設展にはいつもワクワクさせられます。

「北海道の尾瀬」雨竜沼湿原

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 札幌の北、旭川の東、空知管内にある暑寒別岳東中腹の850mの溶岩台地に、東西4km・南北2kmに拡がる山岳型高層湿原です。登山口から標高差400mを1時間半で天空の湿原に登りつきました。正面右奥が日本二百名山の暑寒別岳、池塘に青空と雲が映えます。

大雪地ビール館

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 数年前に層雲峡のホテルで飲み、おいしさに衝撃を受けた旭川市のクラフトビールです。北海道産の麦を使用して、このレンガ造りの倉庫内の醸造所で生産されたビールを併設のレストランで提供されています。写真の5種類のできたてのビールがいただけます。私が知る限り最高峰のクラフトビールです。(六甲ビールと双璧です。)

レストランではジンギスカンが名物で、今回はサフォーク種ラム肉セットというメニューがあり、北海道滞在の2日間ともこちらで至福の夕食をいただきました。

大雪山裾合平 チングルマの紅葉

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 大雪山旭岳ロープウェイ山上から北へ1時間半で裾合平という旭岳北面の高原です。日本最大のチングルマの群落があり、初夏には白い花で埋め尽くされます。チングルマは草ではなく低木で秋にはこのように紅葉します。山は左から当麻岳、匹夫岳、鋸岳です。

裾合平の池塘と草紅葉

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 このあたりの標高は約1700mで9月下旬のこの日、早朝の気温は氷点下2度でした。

植物は枯れても腐敗せず泥炭となり高層湿原を形成します。やや低い所は池塘となります。

大雪山 中岳温泉足湯

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 裾合平から御鉢平への途中に温泉が湧出しています。この先の中岳にちなんで中岳温泉と名づけられています。大きな足湯槽と下には小さな槽もあり、足元から45℃くらいの適温の源泉が湧いています。登山者の憩いの足湯です。西側には旭川の市街が見えます。

大雪山 日本で一番早い紅葉

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 旭岳は北海道最高峰で標高は2291m、東側の登山の起点となる黒岳は1984mで、大雪山には2000m級のたくさんの山々が連なり、木々は日本で最も早く紅葉します。写真は旭岳の東に連なる熊ヶ岳で裾合平から眺める斜面は紅葉のパッチワークになっていました。

大雪山旭岳

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 旭岳ロープウェイ山上駅に戻ってきました。夫婦池に旭岳が映っています。右の丘の上にはロープウェイを利用した観光客の姿が見えます。

遠軽町埋蔵文化財センター

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 遠軽町埋蔵文化財センターは、旭川紋別自動車道の白滝インターを降りたところにあります。黒曜石は、噴出したマグマが急速に冷え固まった火山岩で、別名「天然ガラス」と呼ばれています。割ると鋭い刃物になるため、旧石器時代や縄文時代には、ナイフや矢じり等の貴重な材料でした。

北海道白滝遺跡群出土品は昨年6月に国宝に指定。黒曜石を加工した石刃や尖頭状石器など、全 1965 点から成る、約 15,000~30,000 年前の遺物で、わが国で最も古い国宝です。

積丹半島神威岬

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断崖絶壁の海岸線と、しゃこたんブルーと呼ばれる透明度の高いコバルトブルーの海を望むことができる積丹半島。神威岬は鋭く突き出た地形が特徴的で北海道遺産に選ばれています。左右断崖の岬ですが遊歩道があり、先端まで歩いていくことができます。

ニッカウヰスキー余市蒸留所

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 多くのバーテンダーがニッカを賞賛します。ドラマ「マッサン」で竹鶴政孝の信念と業績を知り、本物のウイスキー発祥の地を訪れたいと思っていました。予約なしの訪問でしたが、正門前で電話すると見学枠の空きがあり、入ることができました。右は乾燥塔、左は蒸留棟、奥に粉砕糖化棟、発酵棟と続きます。多くの建物が重要文化財に指定されています。

「日本ウイスキーの父」竹鶴政孝

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 右上は伝統的な石炭直火蒸留で、奥の小さいのが余市最古のポッチスチルです。敷地の中央にニッカミュージアムがあり、彼がつくり上げたモルトウイスキー、アイルランドで勉強したノート、生い立ちから留学、余市蒸留所建設への道のり、エンブレムの兜は山中鹿介のもの、などが紹介されています。

有料テイスティングバーでは蒸留所限定のモルト、特にシングルカスク余市10年を羨ましく眺めました。レンタカーでの訪問ですから飲めなかったのです。ショップでキーモルトを2本買って帰りました。神戸に帰って今おいしくいただいています。

旧余市福原漁場

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 余市をはじめとする北海道の日本海沿岸はニシンの漁場で昭和30年頃まではニシン漁が盛んでした。左下は出稼ぎの漁夫が寝起きしていた主屋で右上が内部、左上がミガキニシンをつくるナヤ場、右中央がニシン粕やミガキニシンなどの製品を保管していた石藏(今はミュージアム)です。

フゴッペ洞窟

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 1950年札幌市の少年が洞窟で土器片を発見、翌年の北大の調査による発掘で刻画のある洞窟遺跡であるとわかりました。骨製の針、黒曜石のナイフ、シカの卜骨(ぼっこつ)などが出土し、1~5世紀の続縄文時代と考えられています。岩には有翼人物、四本足獣、魚などが描かれおり、小樽の手宮遺跡や、シベリアのサカチ・アリアン遺跡の壁画にも同じような舟や角を持った人物の絵が描かれており、アイヌとは異なる北方文化の可能性を推測できるようです。