羅臼平から羅臼岳

羅臼平から羅臼岳

午前診終了後、関空から新千歳経由で女満別空港へ。予約のレンタカーに乗り、民宿で仮眠後、羅臼岳登山口でもある岩尾別温泉「ホテル地の涯」に午前4時過ぎに到着。ヒグマにビクビクしながらも、3時間足らずで羅臼平まで登ってきました。知床半島全体が火山。羅臼岳の最終噴火は500年前とのことで、山頂部はご覧の通り溶岩ドームです。

羅臼平から三ツ峰

羅臼平から三ツ峰

羅臼岳のほうへ少し登って北側を振り返ると三ツ峰の間から知床連山が見えてきました。

羅臼岳山頂

羅臼岳山頂

羅臼平から1時間で登頂、最後はちょっと怖い急斜面でした。羅臼岳1,661m、日本百名山88座目です。知床半島のつけねから半島の先のほうを眺めていることになります。手前から、三ツ峰、サシルイ岳、3列目の最も左は硫黄山です。左はウトロ、オホーツク海、右は羅臼町、釧路海峡を挟んで国後島ですが、雲海で見えません。

岩尾別温泉登山口

岩尾別温泉登山口

山頂から3時間ほどで下山。道東の山の登山口はおおむねこのような樹林帯でした。登山口のすぐ下にある「ホテル地の涯」で日帰り入浴。内湯も露天風呂も快適でした。

知床五湖

知床五湖

車で15分移動、知床観光の人気スポットは観光客でいっぱいでした。残念ながら山頂部は雲に隠れています。右端には、登ってきた羅臼岳、左へ三ツ峰、サシルイ岳、と並んでいるはずですが・・・見えません。天気は下り坂です。

カムイワッカ湯の滝

カムイワッカ湯の滝

知床岬方向への道路は通行規制があり、カムイワッカ湯の滝へはシャトルバスで行きます。今も噴煙を上げている硫黄山に湧く大量の温泉が川に流れ込み、この川全体が温泉です。残念ながら落石で上流部は立ち入り禁止。下部のこの滝つぼの温度は30度でした。

知床の道路に現れたヒグマ

知床の道路に現れたヒグマ

帰路、シャトルバスがゆっくり停車。「ヒグマがいます。」とアナウンスがあり、車内は大騒ぎ。未舗装の道路の法面を、若いヒグマが草の根を食べるのでしょうか、草の根元を口で掘り返しては次の草へと動き回っていました。シャトルバスを気にするそぶりは全くありません。さすが世界自然遺産です。登山中に会わなくてよかった。なお今回、道東をドライブすると、毎日のようにエゾシカやキタキツネを見かけました。

オホーツクシマリス公園

オホーツクシマリス公園

翌日は天候不良で網走を観光。網走監獄、北方民族博物館、流氷館・・・。 この公園はエゾシマリスを自然に近い環境で飼育(平飼い?)しており、入場者は手袋にエサを乗せてリスの通り道で待っているとリスが手にのってくれます。

史跡公園モヨロ貝塚

史跡公園モヨロ貝塚

網走にあるオホーツク文化の遺跡です。貝塚、住居跡、墓域が保存展示されています。遺跡の年代は8世紀初頭で、「モヨロ人」のDNA分析では樺太北部及びアムール川下流域に住む少数民族のニヴフ(ギリヤーク)である可能性が指摘されており、また彼らを『日本書紀』にでてくる粛慎(みしはせ)とみなす説もあるようです。展示館も立派でした。

モヨロ遺跡出土の動物土偶

モヨロ遺跡出土の動物土偶

回転式離頭鋸など発達した漁具。海獣や波形や魚、漁の光景を施した独自の土器。クジラの牙製の婦人像などの彫刻は秀逸。また、写真のように、クマ、イルカ、アザラシの土製品など、海洋狩猟民族の独特の文化に目を見張りました。

硫黄山の噴出口

硫黄山の噴出口

網走観光の翌日、阿寒湖付近は午後天候回復の予報なので、知床から南へ移動。途中、川湯温泉の硫黄山に立ち寄りました。明治期にはマッチや火薬の原料として採掘され、輸送のための鉄道はJR釧網本線の礎となりました。これほど鮮やかな黄色い硫黄はここでしか見られないのではないでしょうか。

オンネトー湯の滝

オンネトー湯の滝

ここは陸上では世界唯一の「生きているマンガン鉱床」として天然記念物に指定されています。雌阿寒岳の溶岩末端崖の上部からマンガンイオンを含んだ温泉が噴出し、崖にある糸状藻類がマンガン酸化バクテリアに有機物と酸素を提供し、二酸化マンガンが生成されて池や滝の周囲に沈殿しているのです。滝が黒いのは二酸化マンガンです。

雌阿寒岳南斜面より阿寒富士

雌阿寒岳南斜面より阿寒富士

オンネトー国設野営場にある登山口を12時過ぎに出発、2時間かけて頂上直下まで登ってきました。阿寒富士(1,476m)がきれいです。左は釧路方面です。

雌阿寒岳から火口と阿寒富士

雌阿寒岳から火口と阿寒富士

火口壁に沿ってさらに登ると北からのガスがようやく減り始めました。火口湖の青沼がきれいです。噴火口からは噴煙があがっています。いつ噴火するかわからない活発な火山です。

雌阿寒岳山頂

雌阿寒岳山頂

さらに数分で山頂につきました。時刻は午後2時半、登山口からの標高差は800m、2時間弱で登れました。雌阿寒岳(1,499m)、日本百名山89座目です。南側は時々ガスが切れて多少の展望がありますが、北側は真っ白です。

雌阿寒岳より北西方向

雌阿寒岳より北西方向

北から押し寄せる雲海から絶え間なくガスが昇ってきます。山頂に吹き付ける冷たいガスに30分耐えましたが、雲海はなくなりませんでした。晴れれば眼下にマリモで有名な阿寒湖、その右に雄阿寒岳、遠方に斜里岳や知床の山々、左には大雪山やトムラウシ・・・。

雌阿寒温泉コースから雌阿寒岳

雌阿寒温泉コースから雌阿寒岳

眺望をあきらめ、雌阿寒温泉を目指して下山します。下山方向は雲海で視界不良ですが、振り返ると山頂のガスはなくなっていました。雌阿寒の名の由来は稜線の優しい曲線ですが、間近で眺める荒々しい火山岩稜に自然への畏敬を感じます。

メアカンフスマ

メアカンフスマ

この花は雌阿寒岳の固有種ではなく、羅臼岳でも見かけましたが、ここで最初に発見されたためにメアカンフスマと命名されました。鳥海山のチョウカイフスマとは違う種のようです。気象条件の厳しい砂礫地に咲いており、凛とした清楚なたたずまいが魅力的です。