高妻山、別名「戸隠富士」

 秋分の日の連休、高妻山(たかつまやま)登山と小布施の北斎に会いに行く信州の旅にやってきました。長野県戸隠の登山者用駐車場を5時30分に出発、キャンプ場と牧場を抜け、沢沿いの登山道を登りきると稜線に出ました。一不動、二釈迦を過ぎると、高妻山、別名「戸隠富士」が見えました。

信仰の登山道

 高妻山は、手力雄命が天の岩戸を開いてその戸を空に投げると、それが葦原の中つ国に落ちて山になったという戸隠山の奥山です。麓の戸隠神社には岩戸開きに参列した神々が祀られており、登山道は修験道でもあります。三文殊、四普賢、五地蔵、六弥勒と次々と祠が迎えてくれます。7時50分に、七観音の祠に到着です。

頚城三山

 稜線から北側の展望です。右から妙高山、火打山、焼山、左端に雨飾山。

八薬師から高妻山

 七観音からはさらにアップダウンのある急坂になり、八薬師を越えると高妻山がせまってきました。この先、九勢至からは最後の胸突く急登で手と足の両使いとなりました。

槍穂高連峰

 山頂直下の稜線から南西の展望です。安曇野の雲海と槍穂高連峰です。

十阿弥陀

 9時に山頂部の一角におどりでました。コースタイム4時間半のところを3時間半で登頂できました。十阿弥陀には、手水鉢、青銅鏡がありました。

高妻山山頂

 少し北側に三角点があり、北アルプスを背に山頂標識が立っています。標高2,353m、登山口から1200mを登ってきました。日本百名山64座目登頂です。名前の由来ですが、高はピラミッド型の高峰、ツマ(妻・立岩)は、信州の「端」にあるという意味です。

小布施の北斎館

 大英博物館 国際共同プロジェクト「北斎-富士を超えて-」が、あべのハルカス美術館で、開催中です。富嶽三十六景の神奈川沖浪裏(グレートウェーブ)と、晩年に北斎が小布施で描いた上町祭屋台天井絵「濤図」の2大ウェーブを鑑賞できます。この北斎館には北斎肉筆絵の祭屋台2台が展示されており、40点余りの肉筆画とともに必見です。

小布施の岩松院

 岩松院は文明4年(1472)に開山された曹洞宗のお寺、福島正則の霊廟や一茶が「やせ蛙まけるな一茶これにあり」の句を詠んだ池があります。写真中央の赤い屋根が本堂で、本堂中央の大間に、北斎89歳の大作、21畳敷の肉筆天井画「大鳳凰図」があります。

岩松院の「大鳳凰図」

 本堂の天井を実際に舞っているかのような大迫力です。八方睨みの鳳凰ともいわれその鋭い目はどこからみてもこちらを見据えているかのようです。嘉永元年(1848)の作ですから170年経っているのですが、鮮やかな色彩に驚きました。天保の飢饉の時代に描かれた、平和で幸せな世界が実現されるときに現れる瑞鳥、北斎最晩年の大傑作です。