すみだ北斎美術館
「すみだ北斎美術館」が北斎ゆかりの地である両国に11月に開館、早速、訪問しました。美術館の外観にびっくり。金沢21世紀美術館の設計でヴェネツィア・ビエンナーレ金獅子賞を受賞した世界的建築家、妹島和世さんの設計だそうです。100年以上行方が分からなかったという「隅田川両岸景色図巻」や「神奈川沖浪裏」、「冨嶽三十六景」などを鑑賞しました。
室町砂場
神田から日本橋方面すぐにある蕎麦の老舗です。藪、更科、砂場と東京には3系統の蕎麦屋さんがあり、ここは砂場系。昔、大阪城築城の際に、資材置き場の一つである砂場に開店した蕎麦屋の系列を「砂場」と呼ぶそうです。
室町砂場の『天ざる』
明治2年の創業で『天ざる』『天もり』はこちらの発祥だそうです。芝海老と小柱のかき揚げが、濃い口のつゆの中に浸っています。『ざる』は白い更科そば、『もり』は一番粉の香り高いそばです。焼き鳥やいたわさで一杯、そばでしめるのが通だとか。
吉田松陰終焉の地
神田から小伝馬町へ。公園の一角にこの碑がありました。安政の大獄により、吉田松陰はここで処刑されました。佐久間象山の甥である北山安世宛の書簡でこう述べています。
「那波列翁(ナポレオン)を起してフレーヘード(自由)を唱へねば腹悶(ふくもん) 医(いや)し難し。(中略)今の幕府も諸侯も最早(もはや)酔人(すいじん)なれば扶持(ふじ)の術(じゅつ)なし。草莽崛起(そうもうくっき)の人を望む外(ほか)頼みなし。」
吉田松陰が平成の人ならば、ナポレオンのかわりにカストロやホーチミンと書くにちがいないと私は思うのです。
「親思ふこころにまさる親ごころ けふの音づれ何ときくらん」
家族への手紙に、このような辞世を残した人柄にも惹かれます。
三の丸大手門
ここから皇居東御苑内にある三の丸尚蔵館を訪問しました。皇室旧所有の美術品のための保管・展示施設で『蒙古襲来絵詞』、狩野永徳の『唐獅子図屏風』、伊藤若冲『動植綵絵』などを収蔵しています。「書の美、文字の巧、後期展」を開催中で「薩長同盟裏書」(坂本竜馬)や「誠」(徳川斉昭)などを鑑賞しました。
山種美術館
山種美術館は、山種証券(SMBCフレンド証券)の創立者、山崎種二氏のコレクションをもとに、1966年に開館した美術館です。安宅産業破綻に伴い安宅コレクションの御舟作品105点を一括購入して、合計120点を所蔵、「御舟美術館」とも呼ばれています。
速水御舟の全貌
開館50周年記念特別展で、『炎舞』(重要文化財、写真)、『名樹散椿』(重要文化財)、『翠苔緑芝』、『鍋島の皿に柘榴』など代表作が勢ぞろいでした。欲を言えば、もっと広いところでゆったり鑑賞したかったです。『鍋島の皿に柘榴』は写真のようで日本画でこのような表現ができるのかと見入ってしまいました。あまりに美しいので『名樹散椿』のクリアファイルを買ってしまいました。診察室に飾っています。予防注射に来た女の子がきれいと言ってくれました。
サントリー美術館
東京ミッドタウンです。サントリー美術館の「小野田直武と秋田蘭画」を鑑賞しました。小野田直武は「解体新書」の挿絵を担当した秋田藩の武士であり絵師です。秋田蘭画の背景には、徳川吉宗の蘭学奨励、南蘋(なんびん)派の流行、そして博物趣味の広まりがありました。重要文化財「不忍池図」(小野田直武、1770年代)は、西洋の風景画の前景に花鳥画があって不思議な感覚。フレンチ懐石のような・・・。
姫路市立美術館
旧陸軍兵器支廠倉庫で立派なレンガ造りの建物です。「鈴木其一 江戸琳派の旗手」を見るために訪問しました。代表作の「朝顔図屏風」(メトロポリタン美術館)や「夏秋渓流図」(根津美術館)は秋の東京展のみの出品で残念でした。それでも群鶴図屏風が見られて満足。山の神は「藤図」がお気に召したようでした。上品できれいな画に癒されました。