三の沼と羅臼岳
中標津空港から旅を開始。野付半島と標津町ポー川史跡を見学し、羅臼の「熊の湯」に入浴。翌日、ビジターセンターで知床の自然を勉強。知床峠に駐車し、羅臼湖入口まで車道を40分歩き、そこからぬかるみの山道を長靴で30分。知る人ぞ知る景勝地は、静寂でした。
知床連山
羅臼湖入口まで来た道を戻り、バスで知床峠へ。前線が南下し快晴となったので、観光客でにぎわう知床五胡の高架木道へ寄りました。右端が羅臼岳、左端が硫黄岳。エゾシカ散歩中。羅臼岳は2019年8月に登っています。稜線を縦走するにはテント泊が必要です。
朝霧の摩周湖
3日目。午前は晴れの予報なのでホテルを4時半にでて6時過ぎに摩周湖に到着。第3展望台からの摩周湖は、朝霧に覆われていました。正面右に、目ざす摩周岳(カムイヌプリ=神の山)、左端に斜里岳、その右奥に羅臼岳も見えます。摩周湖内にはカムイシュ島。
摩周岳登山コース
第1駐車場に移動して、摩周外輪山南側を歩き始めました。山頂まで片道7.2kmです。霧が晴れて湖面が見えました。登山道はハンノキやダケカンバの林の中を緩やかに登っていきます。
摩周岳と西別岳
4kmほど進むと、熊笹の草原となり、摩周岳の真南にやってきました。摩周湖カルデラの溶岩台地で右(南)側の標茶方面になだらかな笹原が続きます。左の摩周岳火口斜面が屏風のようです。右の西別岳も火山です。花はトウゲブキ。振り返ると阿寒岳が見えました。
摩周岳から摩周湖
2時間半で山頂(857m)に到着。左に1000年前に噴火した摩周岳の爆裂火口、正面は外輪山最高点(855m)で、摩周湖を臨みますが登山道はなく、後方から摩周湖を眺めざるを得ません。正面雲海の下は屈斜路湖。右の斜里岳、左の阿寒岳は雲に覆われました。
屈斜路湖コタンの湯
日本最大のカルデラ湖、屈斜路湖畔には多くの露天風呂があり、ここは冬でも温泉のおかげで湖が凍結しないので、飛来した白鳥が集まり、白鳥と混浴しているような気分を味わえる露天風呂として有名です。すぐそばにアイヌ民族資料館や松浦武四郎の歌碑があります。
ニペソツ山、幌加温泉コース
午前2時半、帯広のホテルを出発。国道273号から幌加温泉への道に入り、700mほどで「ニペソツ山登山口」看板のある北側への「林道」に入るとすぐにこの「登山口」です。ここからガタガタの「作業道」をさらに2km車で進み、奥の駐車場に向かいます。
樹林帯
駐車場には2台の車がありましたが、今から登るのは私だけです。山登りの最初はたいてい樹林帯ですが、深いぬかるみが続くと情報を得ていたので長靴で登ります。午前4時にスタート。ヒグマの生息地で、目撃情報も多く、笛を吹きながら登っていきます。
前天狗とニペソツ山
樹林帯を2時間半、標高差500mを登って低木帯に到着。長靴からトレランシューズに履き替え、長靴はデポして、さらに20分でようやく主稜線が見えました。これから正面の前天狗岳の右下の小さなカール状のところへと登山道は続きます。
お花畑
7時半にカール状地形のお花畑に到着です。高山植物はほぼ咲き終わっていますが、溶岩の岩場からナキウサギのピイッという鳴き声が聞こえます。
オコジョ
ナキウサギを探していると、茶色い細長い生き物がすばしっこく動き回るのに気が付きました。ナキウサギやシマリスの天敵のオコジョです。非常に好奇心が強い動物で、私がピイッとナキウサギの鳴き声をまねると数秒間こちらを凝視してくれたので写真に撮れました。
ナキウサギ
天敵のオコジョは上部へ去っていきました。陽が当たるとナキウサギは地下の岩のすきまから出てくるので、期待して待っていると5分後に10mほど先の岩の上にナキウサギがあらわれました。そのあと、さらにもう一羽。しかし距離があり、これが精一杯でした。
石狩岳
お花畑から急登を補助ロープに助けられながら登りきると、7時45分に前天狗に到着。北側は手前右からユニ石狩岳、音更岳、石狩岳(1967m)、左奥に表大雪連峰。
忠別岳と旭岳
南東側をアップで撮影。左端に忠別岳(1963m)右へなだらかに伸びる高原は高根ヶ原。
正面が、北海道の最高峰にして大雪山(表大雪連峰)の主峰、旭岳(2291m)。右端はおそらく白雲岳(2230m)。この日は8月15日ですがまだ残雪があります。
トムラウシ山
さらに左(西)には、トムラウシ山(2141m)。2年前の8月にはあの山頂にいました。
山頂部の高山帯は素晴らしく、日本百名山の中でもう一度登るなら、まず登りたい山です。
石狩山地と東大雪山地
大雪山国立公園の北半分を見渡します。正面の大雪山から左へ、忠別岳を経てトムラウシまでの縦走路は、一度は歩きたい憧れのコースです。この日、午後から天気が崩れるとの予報だったので、雲が湧かないうちにと急いでのぼってきた甲斐がありました。
前天狗からニペソツ山
さらに15分でスタートから4時間、午前8時、ニペソツ山が近づいてきました。このあたりは天狗平といって、点在するハイマツと岩稜のすきまに高山植物があふれるカムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)です。時折、遠くの岩稜帯からナキウサギの鳴き声が聞こえます。
日本101名山 ニペソツ山
日本百名山を書き上げた後にこの山に登った深田久弥は「ニペソツ山に申し訳ないことをした」と記しています。麓から見えないですが幻の日本百名山は実に堂々とした山容です。山頂までの登山路がはっきり見え、険しそうですがそうでもありませんでした。百名山に漏れたこととと登山口から距離があり日帰りが困難なことで、大雪山やトムラウシに比べて訪れる登山者は少なく静かな山旅が味わえます。右側に見えるのは十勝連峰です。
ニペソツ山(2013m)の山頂
出発から5時間半、午前9時半にニペソツ山登頂です。右(南東)にウペペサンケ山、その奥には十勝平野、左にはタウシュベツ橋梁で有名な糠平湖。おにぎりを2個食べながら30分間、360度の展望を満喫し、10時に下山開始。14時半に駐車場に戻りました。
ひがし大雪自然館
糠平にある東大雪の自然を守り紹介し登山者に情報を提供する展示センターです。大雪山国立公園のうちの東側を東大雪といい、石狩山地、ニペソツ山、ウペペサンケ山等です。ニペソツや石狩岳への登山を紹介するビデオや活火山丸山付近の石灰華が紹介されています。
ナイタイ高原牧場
十勝平野の北西ナイタイ山山麓に東西5.5km、南北3.1kmという広大な敷地を持つ日本最大の公共牧場の頂上部分に2019年、ナイタイテラスという観光施設(カフェ)がオープンしています。記念写真を撮り、カフェで景色を眺めながらソフトクリームを頂きました。
帯広百年記念館
帯広の総合博物館は依田勉三率いる「晩成社」が帯広に初めて鍬(くわ)をおろして100年目の1982年に開館し、本年は記念館40周年、帯広開拓140周年とのことです。帯広の自然、開拓の歴史、農業王国帯広、帯広のアイヌと素晴らしい展示内容です。晩成社が1905年(明治38年)に北海道で初めて商品化したバターがマルセイ(〇成)バターです。
六花の森
六花亭のマルセイバターサンドは北海道土産の定番ですが、マルセイバターは晩成社をリスペクトしての命名で、その包装紙は晩成社時代のもの。また六花は雪の結晶で1977年当時の東大寺管長による命名、六花亭の包装紙は坂本竜馬ゆかりの画家、坂本直行の植物画です。六花の森では、点在するデッサン館や山岳館等で、坂本直行画伯の絵画が鑑賞できます。
関鍛冶伝承館
毎月第一日曜日に開催される「古式日本刀鍛錬」を見学しました。大槌と小槌の音が響き、火花が散り、鋼が鍛えられていく様は迫力がありました。また、白銀(しろがね)師、柄巻(つかまき)師、鞘(さや)師、研(とぎ)師の皆さんの実演もあり、日本刀や関の金物について学べる素晴らしい展示館でした。
関市円空館
一刀彫の微笑みの仏、円空仏には心打たれる慈愛を感じます。美濃国の出身で全国を行脚し、民衆を苦しみから救うため、仏を刻み、与えました。前半生は、山岳修行や遊行。晩年は、関市の弥勒寺を再建し、生涯で12万体の仏像を彫り還暦を迎えた円空は、弥勒寺境内の長良川畔で即身仏とし入定しました。円空館、円空墓、入定塚、弥勒寺官衙跡を歩きました。
新見南吉記念館
山形県の朝日岳登山の際にたまたま高畠町で「泣いた赤鬼」の浜田広介記念館を訪問し、非常に感銘を受けました。素晴らしい作品の作者への興味から、愛知県半田市へ、「ごんぎつね」の新見南吉記念館を訪問しました。新見南吉のふるさとが「ごんぎつね」の舞台でした。兵十がおっ母のためにウナギを捕った小川は記念館のそばを流れています。
半田市立博物館
新見南吉の半田を訪問すると「酢の町」であることに気づきました。「味ぽん」で有名なミツカンミュージアムはコロナ禍で閉館中で残念でしたが、市立博物館では、重要有形民俗文化財に指定されている「半田の酢醸造用具」を見学できました。