南山城
奈良国立博物館の「聖地 南山城」は、浄瑠璃寺九体阿弥陀修理完成を記念する特別展です。
浄瑠璃寺は南山城の当尾(とうの)にあり、平安時代後期の浄土信仰に基づく九体の阿弥陀仏と浄土庭園が共存する唯一の遺構です。平成30年からの修理が完了し、阿弥陀仏を寺外で鑑賞できる貴重な機会となりました。
秋田竿燈
白神岳や秋田駒ケ岳を登った際に2度秋田を訪問し、東北三大夏祭りの一つ、秋田竿燈を見たいとの思いがつのりました。巨大な竿燈を持ちあげる数々の技は素晴らしく、直前に記録的大雨による広範囲冠水があっただけに、秋田の皆さんの心意気に胸打たれました。
鳥海山麓の湧水
竿燈見学の翌日、鳥海山の北麓に向かいました。鳥海山は成層火山で2,500年前の岩屑なだれで象潟の九十九島ができました。獅子ケ鼻湿原は溶岩流の末端からの湧水で形成され、世界的にも希少なコケが生息し、ボール状に発達したものは鳥海マリモと呼ばれています。写真の川底に分布しています。一帯にはブナの森も拡がり、炭焼き用に伐採され幹回りが大きくなったブナの巨木が散在し、幹回りが7.62mと最大の「あがりこ大王」も見学しました。
道の駅「きさかた」の岩ガキ
秋田ドライブ旅をしめくくるご馳走です。鳥海山の湧水は象潟の海底にも湧いており、鳥海山のミネラルが育てた岩ガキがその場で食べられます。白ワインかシャンパンが欲しいところですが、致し方ありません。このあと1日かけて神戸までドライブで帰りました。
東ヌプカウシヌプリの風穴のガレ場
帯広から北へ車で1時間ほどですが、今回は旭川空港から車で2時間半かけて登山口へ。大雪山国立公園の南東端にある標高1,252mの山ですが、登山口の白樺峠からの標高差は350mほどです。1時間強で、ナキウサギ生息地として有名なスポットにやってきました。
ナキウサギ
原始的なウサギで氷河時代に大陸から北海道に渡ってきました。地下に永久凍土がある冷涼な巣穴がないと生存できません。日向ぼっこか食事目的で巣穴からでてきます。日向ぼっこの時は空に向かってピイッとかなり大きな甲高い声で鳴き1分くらいジッとしています。
葉を食べるナキウサギ
この日は30分毎にナキウサギが現れてくれました。この個体はいわゆるガレ場ではなく火山岩が散在する草地に現れ、1、2分間、周囲の植物をモグモグと食べ、その後、あちらこちらを眺めると、右奥の巣穴に帰っていきました。
大雪地ビール館
ナキウサギ観察登山の後、再び2時間半のドライブで旭川へ帰りました。ホテルから徒歩10分ほどの大雪地ビール館に夕食へ。以前、ホテル大雪でいただいて感動した大雪地ビール。本家での地ビール5種飲みくらべ、これはうまいわ!
日本最北端の線路
日本最南端の線路は鹿児島の西大山駅。日本百名山の開聞岳をバックに撮影スポットとして有名です。最北端は稚内駅。2011年に旧駅舎は閉鎖され、日本最北端線路地点は約100m南に移転。写真に写っている新しい複合駅舎の向こうが現在のホームですが、旧線路と車止めはこのように保存されています。8月12日の12時過ぎ、気温は18.3度、Tシャツで訪れた私は震えあがりました。
利尻サロベツ国立公園
日本百名山の利尻岳から眺めたサロベツ原野(湿原)は印象的でした。海上の低い雲が残念ですが、今回は北海道のサロベツ原野からの海越しの利尻岳を眺めることができました。サロベツ湿原センターでは、湿原の自然や以前の泥炭の採掘などを学ぶことができました。
砂澤ビッキ記念館
音威子府村のエコミュージアムおさしまセンター内にアイヌ民族の現代彫刻家、砂澤ビッキの記念館があります。彼は上川アイヌの出身で、40代後半から屋外彫刻などの大作を発表、大胆さと繊細さが入り混じった作品群は、一目でビッキとわかるユニークなものです。
写真は「風の回廊」、左は木材、右は鉄、床は木のくずで、材料とノミと木くずを表現。
前天塩岳から十勝連峰
北海道登山の2座目は日本二百名山の天塩岳です。旭川から北東へ65km、ホテルを午前3時にでて、延々と未舗装の林道を走り、登山口へ行きました。4時半に登り始め、2時間で標高差700mの樹林帯を登り高山帯に出ると一気に展望が開けます。十勝連峰をアップで撮影、左から、オプタテシケ山、美瑛岳、十勝岳、富良野岳です。十勝岳の右下から噴煙がでています。明日、登ります。
前天塩岳から天塩岳
前天塩岳から時計回りに天塩岳(1,557m)に向かいます。天塩岳の右は大雪山系と十勝連峰、左は遠くに石狩岳、その左にニセイカウシュッペ。この日の北海道は快晴で360度の大展望でした。
前天狗岳と天塩岳
先ほどの写真は左の前天塩岳から右の天塩岳を撮影したものでした。ここは先ほどの写真の右方向の西天塩岳下部のガレ場です。このあたり一帯が日本で4番目に長い天塩川の源流です。天塩岳の山上一帯はナキウサギの住む楽園でした。
望岳台から十勝岳
翌日、旭川のホテルを午前3時に出発し、4時に登山口の望岳台に到着。北海道登山の3・4座目、十勝岳から美瑛岳へ縦走です。正面の十勝岳に登り半時計周りに美瑛岳へ縦走してここへ下山します。天塩岳からも見えていた十勝岳の噴煙が朝日に照らされています。
十勝岳
数年前に百名山完登目的で曇天にもかかわらず登った時は、まったく景色がありませんでした。今回は火山地形を堪能しながら正面の山頂を目指しますが、この登山道は大正噴火の泥流跡に造られています。写真の右側に噴火口があり噴煙が上がり続けていました。
美瑛岳のお花畑
標高差1200mを3時間で登り、日本百名山の十勝岳(2,077m)に2回目の登頂。しかし、登頂時にはガスに覆われ展望はありませんでした。天候回復を期待しながら、冷たいガスが吹き付ける十勝岳から美瑛岳に続く荒涼とした稜線を1時間半歩いて美瑛岳が近づくと、お花畑が現れました。青いのはチシマギキョウ、黄色はミヤマノキリンソウです。
美瑛岳
右側の雲の中を歩いて正面の美瑛岳(2,052m)に登頂。山頂では、ガスで真っ白でしたが、下山すると晴れてきました。山あるあるです。左は美瑛富士。ここまで7時間半、さらに1時間で無事下山しました。距離15.7km、累積標高1555m、よく歩きました。
士幌市の羊と雲の丘
旭川の北にある士幌の観光牧場を訪れ、シープドックショーをはじめてみました。牧羊犬が羊を追うというよりも、羊たちが「はいはい、今日も行きますよ。」という感じで、ペレットがまかれた観光客の前にやってくるという微笑ましいショーでした。併設のレストランで、士幌サフォークジンギスカンをいただきました。
上野ファーム
北海道には有名なガーデンがいくつかありますが、旭川の上野ファームはガーデニングの聖地と呼ばれています。イングリッシュガーデンをベースにしつつ北海道の気候風土に合わせた「北海道ガーデン」では900種類を超える花々を5月から10月まで鑑賞できます。2008年、中井貴一主演のテレビドラマ「風のガーデン」のモデルでもあります。
大雪山最高峰の旭岳
大雪山は火山の集合体で、最高峰が旭岳(2,291m)です。旭岳ロープウェイを使えば、山頂までの標高差は700mです。北海道登山の5座目、1時間強で山頂に着きましたが、前回以上にガスガスで視界はゼロ。山頂にキタキツネがいたのには驚きました。悪天候のために、大雪山の周回は次回のお楽しみとして、すぐに下山となりました。
後藤澄男美術館
山は悪天候ですが、下界は晴れていました。併設のレストランも有名なのでまずランチ。ふらの和牛&ポークのあいびき肉ハンバーグが絶品でした。後藤澄男は日本画家で東京芸術大学教授、日本芸術院賞を受賞した大家です。ネスカフェゴールドブレンドのCMでも有名です。名所・旧跡、桜、山岳風景など、日本の美をやさしく語ってくれる作品です。
川村カ子トアイヌ記念館
「カ子ト」は「かねと」と読みます。川村家は上川アイヌの主家で、ここは、第7代当主イタキシロマが大正7年に開館した、アイヌ自らが運営する最古のアイヌ博物館です。カ子トはイタキシロマの息子さんで鉄道測量技師として活躍、国鉄退職後はこの博物館を発展させました。
写真左が、建て替えられて7月に再オープンした記念館。右側はアイヌの伝統家屋「チセ」です。旧記念館の前に建っていたが、朽ちてしまったビッキのトーテムポールは復元され、建物内に展示されていました。
近文アイヌ地返還運動に尽力した荒井源次郎氏の揮ごう「銀のしずく降る降るまわりに 金のしずく降る降るまわりに」が展示されていました。本年はアイヌ神謡集刊行100年記
念年です。作者の知里幸恵は、登別出身ですが、6歳から、この近又コタンで育ちました。「銀の滴降る降るまわりに シロカニペ ランラン ピシカン」(アイヌ神謡集 知里幸恵)
旭川空港フードコート「そらいち」
北海道の山プラスα旅の仕上げは空港でのジンギスカンとサッポロ生クラシック&富良野ワインです。山の神さまはお得な海鮮丼。2019年のオープンで、旭川ラーメン、海鮮丼、鉄板焼、スパイスカレー、などなど。木製の床にイスやテーブルも素敵でした。
道の駅「しかおい」のナキウサギ
本年は兎年ですから、今回の北海道山行では、ナキウサギと会うことにこだわりました。遭遇率100%という東ヌプカウシヌプリで3羽、天塩岳でも2羽を撮影できました。日向ぼっこに出てくるときは静止してくれ、食事にでてくるときは動き回ることがわかりました。東ヌプカウシヌプリの地元、鹿追町の道の駅の木彫りのナキウサギ、素晴らしいです。