美瑛(びえい)白金(しろがね)の青い池
十勝岳噴火(昭和63年)の泥流災害防止のため作られた堰堤に、偶発的に水が溜まって池になったそうです。湧水に含まれる水酸化アルミニウムなどの微粒子がコロイドとなって青く輝き、カラマツや白樺の立ち枯れと相俟って有名になりました。
望岳台から雲に隠れた十勝岳
美瑛町は晴れていますが、山々の上部は雲に覆われています。大正や昭和の噴火で流れた火砕流や泥流上にこの望岳台はあり、展望台であるとともに十勝岳登山口となっています。晴れていれば、美瑛岳、十勝岳、富良野岳の絶景ですが・・・。
十勝岳頂上
翌朝9時前に望岳台を出発。冷たいミストの真っ白なガスの中、硫黄の臭気を感じながら登ると風も強くなり、頂上付近の風速は15m以上でした。2時間半で登頂、日本百名山92座目となりましたが、修行のような登山でした。昼過ぎに下山して吹上温泉へ。明日のトムラウシ登山に備えて19時過ぎに寝ました。
カムイ天上からニペソツ山
午前1時に起床して、富良野からトムラウシ温泉奥の登山口へ3時間かけて車で移動。4時15分から1時間登ると後方に絶景が拡がりました。最も高いのが二ペソツ山、その右がウペペサンケ、雲海の下は十勝平野です。
新登山道から十勝連峰
トムラウシは十勝連峰の北東にあるので美瑛や富良野は峰々の向こう側です。左の小富士は下ホロカメットク山、右へ富良野岳、活火山で茶色い山肌が昨日登った十勝岳、一番右が美瑛岳です。
新登山道からトムラウシ
前方に双耳峰のトムラウシが見えました。アイヌ語でtonra(水垢)ushi(多い)=温泉成分で水垢の多い川(トムラウシ川)の水源の山の意味だそうです。
前トム平からトムラウシ
いったんコマドリ沢出合へ下って急坂を登りきるとハイマツと高山植物の高山帯となりました。いよいよトムラウシが眼前に迫ってきました。真夏でもこの雪です。
東大雪の山々
前トム平からトムラウシ公園と名付けられた窪地へ下りますが、その途中から西の展望です。左に石狩岳、右にニペソツ山。正面奥に、左は雌阿寒岳、右は雌阿寒岳が見えています。
トムラウシ公園からトムラウシ
7時15分、3時間歩いてきました。小川が流れ、池塘と巨岩が見事な景観をつくっており、ところどころにまだ高山植物も咲いていました。右がトムラウシです。
トムラウシ公園とニペソツ山
さらに岩礫帯を縫うように高度を上げます。振り返るとトムラウシ公園は小さくなり、左に山の字の前トムラウシ山、奥にニペソツ山です。
チングルマとトムラウシ
南沼という池塘のそばまで登ってきました。チングルマがフサフサと愛らしく、黄色い花はチシマリュウキンカでしょうか。疲れを忘れさせてくれます。
エゾシマリス
突然、前方の登山道をリスさんが横切りました。こんなところにリス?あわてて携帯を取り出してシャッターを押しました。エゾシマリスは高山帯では主にハイマツやナナカマドの実を食べるようです。ほほ袋にためているおなじみの姿で写ってくれました。
トムラウシから十勝連峰
南沼から最後の岩礫帯の登りとなりました。頂上直下まで登ると南沼とトムラウシ公園の向こうに早朝に眺めた十勝連峰が拡がります。右から、オプタテシケ山、美瑛岳、十勝岳、富良野岳、そして下ホロカメットク山です。
トムラウシ山頂
8時半に登頂です。トムラウシ山(2,141m)、日本百名山93座目です。北側は左から旭岳、北鎮岳、白雲岳の表大雪の山々、正面に忠別岳。北海道のほぼ中央から360度の大展望でした。ナキウサギのピッという声があちらこちらから聞こえるのですが姿をとらえることはできませんでした。
トムラウシ山頂より北西
トムラウシ山の北西側も池塘と巨岩の織りなす庭園のような景観が拡がり、神々の庭(カムイミンタラ)の名のとおりです。奥の池塘はエメラルド色で宝石の輝きでした。下りは3時間半、12時20分に登山口。車でトムラウシ温泉へ移動、いい湯でした。
富良野のファーム富田
1972年ラベンダーオイル価格の急落で廃業寸前となるも、観光とエッセンシャルオイル抽出で経営を軌道に乗せ、ラベンダー香水「FURANO(フラノ)」やエッセンシャルオイル「おかむらさき」は世界的に評価されています。花畑はお馴染みの景色ですね。
美瑛の四季彩の丘
旭川市の南東部に位置する美瑛町にある観光農園です。丘の斜面に花畑と畑があり、十勝岳連峰の景色をバックにした花畑は北海道ならではです。
虹の花畑
見たこともないスケールの花畑にただただうっとりでした。
平取町(びらとりちょう)二風谷(にぶだに)コタン
アイヌ文化研究者であり国会議員でありアイヌを先住民と認めさせた萱野茂さんは出身地のここに、2軒のアイヌの伝統家屋チセを作られました。「チセ・ア・カラ(われら・家を・つくる)」(監督: 姫田忠義)として映画化。初めてのアイヌ語での映画でした。
平取町立二風谷アイヌ文化博物館
アイヌの民具、民話を収集記録し、50年かけて集めた1121点は重要有形民俗文化財の指定を受けています。設立した二風谷アイヌ資料館は平取町立二風谷アイヌ文化博物館に発展継承されています。アイヌの民族服であるアットゥㇱは、オヒョウニレ(att)の木の皮(rusi)から作った糸でできているのですね。
むかわ町立穂別博物館
首長竜とされていた化石がハドロサウルス科の恐竜化石と判明、ドラマティックな展開で全長8mの全身骨格の発掘に至ったこの恐竜は2019年、カムイサウルス・ジャポニクスという学名で新属新種恐竜と正式に認定されました。
北海道博物館
蝦夷地の産物コレクションなど素晴らしい展示です。アイヌがモンゴルと戦ったことや中世における和人との交易品のこと、松前藩のこと、シャクシャインの闘い、など興味深く学べました。