那須の殺生石(せっしょうせき)

今月の日本百名山は栃木県の那須岳と定め、ロープウェイ乗り場まで行きましたが、山から冷たい霧が吹きつけており、山頂部は風速20mで滑落の恐れありと聞いて断念。道路を引き返して、史跡「殺生石」を見学です。平安時代、鳥羽上皇が寵愛した玉藻前は実は狐の妖怪で、正体を見破られて逃げたこの地で討伐され石となったという「九尾の狐伝説」の地です。芭蕉もここを訪れ、「おくの細道」に「蜂蝶のたぐひ真砂の色の見えぬほどかさなり死す」と記しています。写真中央奥に殺生石があります。火山ガスが噴出し、硫黄臭がただよい、殺生石の前には立ち入り禁止の立て札がありました。

那須温泉元湯・鹿の湯

殺生石のすぐ下に日帰り湯があります。明治の建造という木造の建物内に、41度から48度までの6つの湯舟があり、濁り湯で情緒満点でした。聖武天皇の天平10年(738年)の正倉院文書に那須温泉の記録があり、古くから名湯として親しまれています。

宇都宮餃子

栃木県の県都、宇都宮は「餃子の町」で有名。当地の餃子は、野菜たっぷりで、お肉やにんにくが控えめ。地元で人気の「正嗣 (マサシ)」のメニューは「焼き餃子」「水餃子」「ライス」のみ。水餃子は、直接タレを入れて食べるスタイル、ピリ辛で美味でした。

大谷石(おおやいし)地下採掘場跡

宇都宮市大谷町にある「大谷石地下採掘場跡」です。大谷石は灰緑色系の凝灰岩。フランク・ロイド・ライト設計の旧帝国ホテルに使用されており、明治村で移築された玄関を見学しました。東京駒場の日本民芸館にも使用されています。温かさやぬくもりを感じさせてくれる石材です。大谷石を採掘した跡地は地下宮殿のようでした。

綿貫観音山古墳

群馬県の高崎綿貫町にある観音山古墳は墳丘全長が97メートルの前方後円墳で、6世紀後半の築造と推定されています。昭和42~43年に発掘調査がおこなわれ、墳丘上に並べられていた埴輪群、最大規模の横穴式石室、そこから出土した豪華な副葬品で有名です。

人物埴輪群

群馬県立歴史博物館は、全国に誇る観音山古墳出土の埴輪や豪華な金銅製馬具などの重要文化財を常設展示しています。国内唯一の埴輪「三人童女」を中心に左が被葬者の男性、右は巫女とその従者で権力継承儀式を表現していると考えられています。東国の埴輪のレベルの高さを実感しました。

岩村城の六段壁

岐阜県恵那市の岩村にある山城です。写真は本丸虎口の石垣(六段壁)でこの上部が本丸です。戦国時代には信長が、武田側に領民を守るためにやむを得ず寝返った叔母の「女城主おつやの方」を磔に処したという凄惨な歴史の舞台でもあります。本丸の海抜717mは全国一位であり、奈良県の高取城、岡山県高梁市の備中松山城とともに日本三大山城の一つに数えられています。

岩村町本通り

城下町岩村の中心街は重要伝統的建造物群保存地区です。昭和63年時点で、139戸のうち、52戸が江戸時代、27戸が明治時代の建築というタイムスリップした感覚になる通りです。数軒は公開されており、江戸時代の商家を見学できます。NHKの朝ドラ「半分青い」のロケ地として登場しています。

最古の石器とハンドアックス展

兵庫県立人と自然の博物館の特別展示を見てきました。日本とエチオピアの共同研究の成果である、「ホモ属(原人)からホモサピエンス出現までの人類進化と石器テクノロジーの発展」が紹介されていました。写真は最古の石器で260万年前と考えられるそうです。