地蔵岳のオベリスク

日本百名山48座目は、南アルプス鳳凰山です。10月中旬、青木鉱泉を5時に出発し、登ること5時間、10時に地蔵岳の賽の河原につきました。オベリスクがすごい迫力です。古くから信仰登山が盛んで、この賽の河原から奈良時代と思われる仏や古銭が発掘されているそうです。お地蔵さんが大勢おられますが、「子授け地蔵」と呼ばれていて、子宝に恵まれない方が、お地蔵さんを1体借りて行き、子供が授かったら2体にして返すそうです。

鳳凰山観音岳より甲斐駒ケ岳

鳳凰三山とも呼ばれているこの山は、西から、地蔵岳、観音岳、薬師岳と3つのピークがあり、快適な縦走ができます。12時に、最高峰の観音岳2840mに登頂です。登ってきた西側は右に地蔵岳のオベリスク、正面奥は甲斐駒ケ岳です。

鳳凰山観音岳より白峰三山

観音岳山頂には平たい石が2枚ありました。座っている登山者がいますが、目の前は断崖絶壁で高所恐怖症の私には無理です。山頂より南側は、右が日本第2位の高峰、北岳で正面のゴツゴツした岩壁がクライマーの殿堂「バットレス」です。左に日本第3位の間ノ岳、さらに左が農鳥岳、3つで白峰三山です。

鳳凰山観音岳より富士山

東側には薬師岳の向こうに富士山が見えています。私は山頂から富士を見るのが大好きです。少し霞んではいますが、8月登頂の塩見岳から見えなかっただけに感激でした。

鳳凰山薬師岳山頂

日本庭園のような稜線を楽しんで薬師岳に到着。正面は北岳です。3山すべて終了、「鳳凰山」に登ったのです。これで日本アルプスの百名山26座を無事に完登しました。13時に下山開始、中道というコースを2時間半降り続けました。さらに林道を歩いて、青木鉱泉駐車場までで日帰り登山終了。行動時間11時間。さすがにヘロヘロでした・・・。

正倉院展

今年の正倉院展の目玉は漆胡瓶(しつこへい)というペルシア風の水差し、もう一つは、鳥木石夾纈屏風(とりきいしきょうけちのびょうぶ)という大樹の下に尾長鳥(おながどり)や草花、飛雲が染められた屏風でした。例年、展示の後半に正倉院文書が公開されていますが、今回は写経所の待遇改善願い(下書き)が印象的でした。6か条の要求が書かれています。「人手があまっているので、写経生を追加採用しないで欲しい」「仕事着が汚いので取り替えて欲しい」「一月に五日の休みが欲しい」「食事がまずい」「胸の痛みと足のしびれをとるために酒(クスリ)を支給してほしい」「以前のように、毎日麦の支給をしてほしい」写経所はブラック企業だったようです。西暦750年頃に日本最古の労働組合があったのかもしれませんね。それが正倉院に保存されているのが面白いですね。

春日大社国宝殿

春日大社の式年造替に合わせ、宝物殿が増改築され国宝殿となりました。ここは、「平安の正倉院」と呼ばれ、刀剣、甲冑(かっちゅう)など国宝352点を含む3,000点強を収蔵しています。開館記念展「春日大社の国宝」を見に行きました。金地螺鈿毛抜形太刀(きんじらでんけぬきがたたち)、蒔絵琴(まきえのこと)などは平安時代を彷彿とさせてくれます。3月に国宝指定された楠木正成奉納とされる黒韋威胴丸(くろかわおどしどうまる)は室町時代の動乱を象徴するかのような緊張感がみなぎっています。

瑞牆山山頂

日本100名山49座目、瑞牆山(みずがきやま)は山梨県北杜市にあり、標高は2,230m。中央道長坂インターから、瑞牆山荘の駐車場へ。5時半に登り始め8時に登頂です。

瑞牆山から富士山

南に富士山がよく見えます。東には奥秩父山系の金峰山(きんぷさん)、甲武信ケ岳(こぶしがたけ)と日本100名山が連なっており、学生時代に縦走していますが、瑞牆山は縦走路からはずれていて登っていませんでした。

瑞牆山から南アルプス

山頂は花崗岩で南側は断崖絶壁です。花崗岩の岩峰がにょきにょきと連なっている山なのですが眼下に大ヤスリ岩と呼ばれている岩峰がみえます。南西側は先日登った南アルプスの鳳凰山でその奥の北岳ほか主稜は冠雪していました。

山麓公園より瑞牆山

みずがき山自然公園に立ち寄りました。ここから眺めると確かに神社の垣根=瑞牆のように見えますね。奥の金峯山は吉野・大峰と同じく蔵王権現を祀る山岳信仰の聖地ですから金峯山の瑞牆という意味なのでしょう。近くの増冨ラジウム温泉で汗を流して帰りました。