雲南の地域医療シンポジウム

雲南の地域医療を考える会で講演してきました。新臨床研修医制度に伴う混乱で一時医師不足で苦労されたようですが、隠岐100kmマラソンを走る院長先生も地元出身の若い整形外科の先生もシンポジウムで元気に発言されていました。奥出雲町はブランド米の仁田米で有名。自然も人も穏やかで癒されました。

卑弥呼の鏡?神原神社古墳

雲南市は大量の銅鐸の出土で有名な加茂岩倉など遺跡の宝庫です。神原神社古墳は一辺が約30mの方墳で5.8mの竪穴式石室を持っています。築造が4世紀中頃ですから前期古墳ですね。古墳から三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)が出土するのは、珍しいことではないのですが、その鏡に景初三年の銘が刻まれていると話は別です。景初三年は西暦239年、邪馬台国の女王・卑弥呼が三国志で有名な魏に使者を派遣し、魏から銅鏡100枚を下賜されたとされる年です。景初三年の銘が刻まれている鏡は、ここと和泉黄金塚古墳からの2面だけです。

和歌発祥の地、須我神社

『古事記』によれば、須佐之男命は八岐大蛇を退治した後、妻の稲田比売命とともに住む土地を探し、当地に来て「気分がすがすがしくなった」として「須賀」と命名し、宮殿を建てました。この時に須佐之男命が詠んだ歌が日本初の和歌ということで、「和歌発祥の地」とされています。

八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を

雲が幾重にも立ち八重の垣根をめぐらせている。妻を住ませるために、
わたしも八重の垣根を作るのだ。雲が作ったその八重垣のように

管谷たたら山内

国の重要有形民俗文化財の菅谷たたら山内です。場所は雲南市吉田町吉田の菅谷(すがや)地区、たたら製鉄に従事していた人達の職場や、住んでいた地区を総称して山内(さんない)と言います。製鉄炉を覆う建物も含めた生産施設の高殿が菅谷たたらに日本で唯一ここだけに現存しているのです。写真右の建物です。映画「もののけ姫」に登場する「たたら場」のモデルです。

高殿の内部

高殿の内部です。たたらは、砂鉄と木炭を炉内で燃やして、純度の高い鉄を生産する日本古来の製鉄方法です。4月25日に「出雲國たたら風土記−−鉄づくり千年が生んだ物語」として、文化庁の日本遺産に指定されました。
「EXILE」のHIROさんがエグゼクティブ・プロデューサーを務める映画「たたら侍」が来年公開予定とかでポスターがありました。『たたら侍』では、手柄を立てて出世することの一方で、戦国の世においても、淡々と鉄づくりを続け、伝統の技を命懸けで守る姿もまた真の侍であり、「武士道」に通じる心であることを描くのだそうです。

黄金のアフガニスタン 東京国立博物館

黄金のアフガニスタン展では、古代のアフガニスタンで栄えた文化を、4つの遺跡から出土した名宝で紹介していました。煌びやかな黄金製品など見ごたえのある展示でした。

“A nation stays alive when its culture stays alive.”
「自らの文化が生き続ける限り、その国は生きながらえる」
(再開を期してアフガニスタン国立博物館入口に掲げられたメッセージ)

これらの展示品は、戦火の中で破壊と略奪にあい、国の宝である貴重な文化財を守ろうとした勇気ある博物館員たちが命がけで運び出し、大統領官邸地下の金庫に避難させていたのです。 展覧会では、奇跡的に守られた古代アフガニスタンの至宝231件に加え、日本で「文化財難民」として保護されてきた流出文化財15件も展示されました。

ルノワール展 新国立美術館

乃木坂の新国立美術館です。設計の黒川紀章先生偉大なり。今回はルノワール展です。お目当ては「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」。モンマルトルの丘で、2台の風車(ムーラン)のふもとに、1855年にオープンしたダンスホール。焼き菓子(ギャレット)が人気を呼び、この名で呼ばれるように。母親が働いているあいだ一人きりになる子どもたちを見て託児所を作ろうと思い立ったルノワールは、ムーラン・ド・ラ・ギャレットで資金を募るための仮装舞踏会を催したそうです。絵だけでなく生き方も素敵な人だったのですね。