志村ふくみ 母衣(ぼろ)への回帰

京都国立近代美術館で開催中の、志村ふくみ 母衣(ぼろ)への回帰 をみてきました。志村さんは、草木染の染織家で人間国宝です。母衣=母の織る布であり、紬は日本の母の思いであるとのことです。色彩の美しさに圧倒されます。白洲正子の「日本のたくみ」に、花の生命を染める、という題で志村ふくみについてのエッセーがあります。椿の灰は染めものにとって、最高の媒染(染料を定着させる材料)で、嵯峨野で良い椿が手に入ることが草木染を輝かせた、切る時期を工夫することなどで千年前の日本の色をよみがえらせた。白洲正子の伝統文化への愛情と古典の知識、審美眼にあらためて感服しました。

紫(むらさき)は 灰(はひ)さすものぞ 海石榴市(つばいち)の
八十(やそ)の街(ちまた)に 逢へる子や誰(た)れ

万葉集12巻 詠み人知らず

紫草の汁には、椿(海石榴)の灰を入れて染めるという。その名の海石榴市の、多く の道が行き交う辻で出逢ったあなたは一体誰ですか、お名前を教えてくださいな。

六道珍皇寺

京の盆の始まりはこの寺の迎えの鐘、というのも、この付近は、平安京の火葬地であった鳥辺野の入口にあたり、現世と他界の境にあたると考えられ、「六道の辻」と呼ばれていたからです。迎え鐘によって精霊がこの世によみがえると信じられていました。その昔、小野篁は、夜ごと井戸を通って地獄に降り、閻魔大王のもとで裁判の補佐をしていたそうです。特別拝観で「冥土通いの井戸」と「黄泉がえりの井戸」を拝見しました。

妙心寺 天球院

妙心寺の塔頭寺院で、姫路城主・池田輝政の妹・天球院によって創建されています。方丈(重文)の内部を飾る華麗な障壁画(重文)は、京狩野の絵師・狩野山楽・山雪の代表作。「竹虎図」、「梅に遊禽図」、朝顔と鉄線の花を描いた「籬草花図」など、金地に映える鮮やかで濃密な色彩と垂直の線や曲線を活かした画面構成が見事でした。この部屋に住みたい・・・。

須磨の歴史と文化展

神戸市立博物館で開催中の須磨の歴史と文化展、とてもいいです。須磨寺参詣曼荼羅(桃山時代)には、須磨の関、松風&村雨物語、菅原道真ゆかりの天満宮、源氏物語の須磨、敦盛と直実などが描かれています。須磨の古典がてんこもりの絵画です。文禄5年(1596)の大地震で被害を受けた須磨寺復興のための寄付を募る目的で制作されたとのことです。