直島 草間彌生の「南瓜」

ベネッセアートサイト直島を初訪問。宇野港まで車で。そこからフェリーで20分の船旅です。島内はレンタサイクルが便利でした。1993年に『ヴェネチアビエンナーレ』で発表された、草間彌生の『南瓜』。幼少期から水玉や網目が見える幻視や、スミレやカボチャが語りかけてくる幻聴に悩まされ、それらへの恐怖や驚きをしずめる手段として、水玉など見たものを描き始めたとのことですが、「生きる喜び」「集中力」「楽天性」に惹かれます。

直島 家プロジェクト「はいしゃ」

かつて歯科医院だった建物を大竹伸朗がまるごと作品化。大竹さんは廃材を再利用するアーティストだそうです。内部は不思議な中に懐かしさも感じられる世界でした。直島には、ベネッセハウス、地中美術館、家プロジェクト、「南瓜」などの屋外アート、が点在。自然や集落と見事に融合しています。海外のリゾート紹介誌で高評価とのことで、欧米からの観光客がいっぱいでした。

三好長慶の飯盛城址

飯盛山(いいもりやま)は、生駒山の北側、大東市と四条畷市にある標高314.3mの山です。戦国時代末期、山頂付近には飯盛山城が築かれ、足利義輝を追放した三好長慶はここを居城に畿内を治めました。鑑定団で三好家ゆかりの家の蔵から曜変天目茶碗が見つかったことで、三好長慶に興味を持ち訪れてみました。 兵どもの夢の跡・・・ここで茶会も開かれ、曜変天目や三好粉引も披露されたのでしょうか?信長以前に足利幕府を倒した戦国大名がここにいたのです。

飯森山上の楠木正行像

飯盛山麓の四条畷は、室町時代初期に南朝方の楠木正行と足利幕府方の高師直が戦った古戦場でもあったため、山頂には楠木正行の銅像が建っています。台座に「忠孝両全」(忠義と孝行の両方共全うする)とあります。昭和12年の建立、忠孝を強調しすぎるのは偏った歴史観ですね。単なる忠臣ではなく、源氏や平家など「由緒正しい血統」ではない地侍が一定の力を持ち始めた時代を真っすぐに生きた悲劇の若者です。吉野の如意輪寺に正行が矢じりで辞世を刻んだ扉がありますが、四条畷の戦いへ決死の覚悟で出発したときのものです。

かへらじと かねて思へば 梓弓  なき数にいる 名をぞとどむる

野崎まいりの慈眼寺(野崎観音)

飯盛山はハイキングコースになっていて「野崎観音 – 飯盛山城 – 山頂 – 四條畷神社」のコースを歩きました。江戸時代、新大和川の掘削により、大東市付近は新田開発が進み、大阪の八軒家浜からの水路も整備されたことで、「野崎まいり」が庶民の娯楽としてブームになりました。歌舞伎・文楽の演目『新版歌祭文』(しんばん うたざいもん)「野崎村の段」の舞台です。境内には「お染久松の塚」がありました。落語の「野崎詣り」(のざきまいり)もお馴染みですね。

大東市立歴史民俗資料館

真新しい「歴史とスポーツふれあいセンター」の2階にあります。展示は時代ごとに構成され秀逸です。映像では、生駒山麓では旧石器時代から人々の営みがあったこと、三好長慶の飯盛山城のこと、野崎まいりのこと、などをわかりやすく解説してくれます。東高野街道の重要性もよくわかりました。

新国立劇場 ジークフリート

4月のオテロに続き2回目のオペラパレスです。ワーグナーの「ニーベルンゲンの指輪」4部作「ラインの黄金」「ワルキューレ」「ジークフリート」「神々の黄昏」から3番目、英雄ジークフリートの成長物語です。事前にユーチューブで何日も予習して劇場へ。14時開演19時40分終演の長丁場でしたが、退屈まったくなし。タイトルロールのステファン・グールドがすごい。さすがはバイロイト歌手。100名のオーケストラの音量を遥かに凌駕する圧倒的な「声」です。こんな歌唱聞いたことありません。演技もすごい。ミーメもヴォータンもみんなすごい。幕ごとにブラボーの嵐。指揮の飯守泰次郎も東京交響楽団も熱演でした。さあ、こうなると秋の「神々の黄昏」どうしましょう? 残念なこと1点だけ。行った人は全員感じたと思いますが、森の小鳥の衣装はひどかった・・・。